公開: 2020年4月22日
更新: 2020年4月23日
人間は、約700万年前に、チンパンジーから分かれて生まれたと考えられています。人間とチンパンジーの遺伝子を比べると、約98パーセントは、同じです。
チンパンジーから分かれた人間の祖先は、「原人」と呼ばれます。その「原人」が進化をして、約50万年前に、アフリカ大陸でネアンデルタール人の祖先が生まれました。そして、アフリカ大陸を離れ、ヨーロッパ大陸を中心に定住したようです。
ネアンデルタール人は、ホモサピエンスよりも頭蓋骨の容積が大きく、大きな大脳を持っていたとされています。しかし、頭蓋骨の形状から、上気道がホモサピエンスよりも短く、言葉を話す点では、ホモサピエンスに劣っていたとされています。
ネアンデルタール人は、ホモサピエンスよりも身長が低く、成人の男子で165センチ程度だったと推定されています。体重は、ホモサピエンスよりも重く、80キログラム程度だったとされています。がっちりとしたプロレスラーのような体形だったようです。
頭蓋骨の分析から、ネアンデルタール人も、ホモサピエンスのように高い言語能力を持っていたとされています。しかし、ネアンデルタール人は、ホモサピエンスと比べると、小さな集団で生活する傾向を持ち、人口は高々、数万人程度だったと推定されています。
ネアンデルタール人は、ホモサピエンスがアフリカ大陸を離れて、ヨーロッパ大陸に到着したころから、ホモサピエンスと混血したため、大きく数を減らし、約2万4千年前に、スペインのイベリア半島で絶滅したとされています。この絶滅には、ヨーロッパでの火山の大噴火が原因だったとする主張もあります。
最近のゲノム解析で、ネアンデルタール人の遺伝子と、現代の非アフリカ人の遺伝子に数パーセントの重複が見つかったことから、ネアンデルタール人とホモサピエンスの混血があったとされています。しかし、2020年の1月に、アフリカ大陸に住む人々にも、ネアンデルタール人の遺伝子配列と同じものを持つ人々がいることも報告されています。
ネアンデルタール人は、旧石器時代に属する石器を使っていました。同じ期間にホモサピエンスが使っていた石器の変化と、ネアンデルタール人の使っていた石器の変化を比べると、ホモサピエンスの石器の進歩が大きく、このホモサピエンスによる石器の改良が、結果としてホモサビエンスの繁栄につながったとする考え方もあります。